フィリピンにおけるビジネス教育の現状 日本マーケティング協会主催で開催された「フィリピンマーケティング協会(PMA)協賛 ビジネス系大学教授との交流会」(2015年3月19日)に参加いたしました。現在フィリピンはじめASEAN諸国では2015年の統合に向けて様々な活動を行っています。今回の交流会は、フィリピンマーケティング協会に所属する主にフィリピンの大学の様々な分野の教授陣が参加しました。そのため、統合に向け、教育からどのようなアプローチが可能かということが主な議題となりました。

フィリピンの大学におけるビジネス教育について

フィリピンでは2015年のASEAN統合に向け、ビジネス教育に力を入れています。これまでのアカデミック中心だった教育方針からグローバルレベルでリーダーシップを発揮できる人材の開発に力を入れるようになりました。この背景には経済の発展の肝は人材であること、そしてASEAN諸国でフィリピンの人口はインドネシアに続いて2位の規模であること、ASEAN統合によりテリトリー内における人材の交流がより活性化すること、などがあるようです。
人材教育で特に注力しているのはコミュニケーション力、リーダーシップ、チームワーク、問題解決力等、実際のビジネスの現場で必要なスキルの習得です。これらの能力を養うため、フィリピンの各大学ではメンター制度の導入やコーチングを積極的に行っています。
ここではUniversity of Santo Tomasのビジネス教育の取り組みについて紹介いたします。University of Santo Tomasは1600年代に設立され、アジアで最古の大学といわれている大学で、生徒数、学部の幅もフィリピンではトップクラスです。
同大学のビジネススクールであるCollege of Commerce & Business Administrationでは国際的に活躍できるビジネスリーダーを育成していくことを目的としています。特徴的な取り組みとしてはメンター制度、コーチングを取り入れています。教員がメンターとして各学生や数人のグループをサポートすることで、より一段と専門的かつ高度なスキルや学習効果を得ることができます。フィリピンでもユニークなコースの一つとして、起業家養成コースがあります。このコースは実際に仮想事業を立ち上げ、事業継続、拡大をロールプレイ形式で学ぶものです。家族企業の経営に関することも学べるなど、国の特徴を反映した内容となっています。

University of Santo Tomas : College of Commerce and Business Administration

フィリピンマーケティング協会について

フィリピンマーケティング協会は2014年で設立60周年を迎え、アキノ大統領からも祝辞を頂きました。2015年にはASEAN統合に向け、近隣諸国だけでなく、アジア圏の国々のマーケティング協会とコラボレーションを積極的に行っています。これまでにアジア圏では韓国のいくつかの大学で講演会やフォーラム等様々な交流会を行いました。今回は日本マーケティング協会と初めての交流会となりました。


交流会を終えて

今回、PMAから来日した大学教授は9人中8人が女性でした。またその多くが結婚し、子供を育てながら社会進出しています。そしてビジネスの面でも大学の教授として働きながら起業しビジネスを展開するほか、複数の組織での活動を行う等、非常に積極的に活動をしている方々でした。
今回の交流会では議題に上がりませんでしたが、女性の社会進出という面はフィリピンがずいぶん先を進んでいるようです。海外進出することで、ビジネスの拡大とともに女性の社会進出に関係する対策のカギをフィリピンから学ぶことができるかもしれないと感じました。

(アナリスト 佐藤寛子)


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基本統計情報

フィリピンのセミマクロ概況をレポートします。
公的機関やWEB、本等でも一般的なマクロ情報はとれますが、センシングアジアではさらに、セグメント別にブレークダウンし、かつアジア各国とも比較することで、海外進出という視点で最適化した情報としてとりまとめています。

消費・生活・ビジネスコスト情報

フィリピンの消費市場を耐久財・半耐久財普及状況や、消費支出(教育カテゴリーを含む)・物価の側面からカテゴリー別にブレークダウンしてレポートします。また、現地でビジネスを行う上での生計費、賃金、事務所コストといった投資コストをレポートします。地域別、収入階層別、都市別に見ることが可能です。

調査の目的 ・基本統計情報
・消費・生活・ビジネスコスト情報
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